「なかなか粋なサービスだよな」
ホテルの無料の夜泣きそばをすすりつつ、
KYSがつぶやく。
たいしてうまくない。
いや、むしろ、自分で作った方が的なレベル。
でも、夜、ホテルに戻って、
ほんの少し飲み足りなかったり、
食べ足りなかったりして。
でも、もう一度外へ出るのはイヤって瞬間は良くあり。
そんな気分をうまく捉えているのは事実。
「少しは寝たか?」
深夜のチェックアウトはもったいなく思えるが、
そうでもしなきゃコイツは、
乗船ギリギリまで走っていたはず。
「おう。グッスリ寝たわ」
「この後も寝るなら、オレが起こすから」
「じゃあ甘えて少し寝るかな」
ウソだ。
コイツ、もう、寝る気は無い。
少し飲むか?
そう言えないのが、かなりさみしかった。