崔洋一さんが亡くなられた。
若くしてその才能を認められ、
当時の話題作などでチーフ助監督を務め、
1983年に「十階のモスキート」で監督デビュー。
高い票を得ると同時に熱狂的ファンを獲得し、
一躍脚光を浴びた。
今とは違った差別意識がはびこる中、
在日韓国人であることを隠さずに活動を続けられた。
93年には在日コリアンが主人公である、
「月はどっちに出ている」を発表。
数々の映画賞を受賞。
映画監督であると同時に、
脚本家や俳優、コメンテーターとしても活躍。
生涯、反権力主義を貫き、
表現の自由のためなら刑務所行きも厭わない気骨を持ち、
歯に衣着せぬ発言が「炎上」することも少なくなかった。
04年から日本映画監督協会理事長に就任したが、
ある映画関係者から在日韓国人であることを理由に、
その人事に対する批判を受けなど、
苦労されることも多かったという。
映画を愛し、
作品を通じての表現を大切にされた方が、
また1人亡くなられた。
心よりご冥福をお祈りします。