懐かしむ、とはたぶん違う。
ただ、そんな再会もあるのだな、と思った。
22年前の12月26日、
昼下がりの駅のホームで君と逢えた。
「あの頃と同じ顔で笑ってるのに、別の人みたい」
渋谷に向かう各駅停車の中、
あの頃のように彼女はボクの左側に座り、
あの頃と同じ笑顔で言った。
「そんなことないよ。ずいぶん時間が過ぎたしね」
「そうね。お互いさま、か」
各駅停車のはずなのに、
その電車はまるで快速特急のように速かった。
渋谷に着いてしまい、
お互いに別の電車に乗る間際、かろうじて言った。
「1日遅れのクリスマスプレゼントだった」
彼女は頷いてあの頃と同じ仕草で手を振った。