年に数度だが、「あぁ、カメラを持っていれば!」と、激しく後悔する場面に出くわす。
今日がまさにそれ。
空港へ向かう途中、立ち寄ったラーメン屋さんを出てすぐ。正面から歩いてきた女の子が目に入った。
少し長めのボブヘアに、厚手で大きめの無地の白いTシャツ。くるぶしまでのロングスカートは、ローカットのスニーカーの歩幅に合わせて、軽やかに揺れる。その右肩に細身の黒いトートバッグをさげて、さっそうと歩く。
その子がボクとすれ違う少し前に、思い立ったように踵を返すと、細い路地に入った。
その子が目に入っただけじゃなく、路地の入り口に駆け寄ってシャッターを切ったのは、彼女が年の頃よりかなり大人びた格好で、しかし、その格好にふさわしい雰囲気を持ち、身のこなしをしていたから。
iPhone XRの標準では、これが精一杯。で、ズームするとこれ。
どちらもダメではないが、この中間くらいが欲しかった。
それにしても、彼女は何者?
身体の大きさから見ると、小学校低学年くらい。でも、前述の通り、ファッションと振る舞いは、まるで二十代後半。いや、それ以上でもおかしくないほど様になっていた。
あの身のこなし、日本舞踊でも習ってるのかな? それにしたって、あの年頃で・・・。
うーむ。謎の少女。