「ホントに1年ぶりよねぇ」
超優良顧客の金庫番を務める社長夫人は、
ボクがクルマから降りたのを見かけるや玄関で出迎え、
社長室に案内しコーヒーを出して下さった。
「お元気だったの?」
「はい。おかげさまでなんとか」
地元で指折りの優良企業であり、
数年前には娘さんご夫婦への世代交代も済ませ、
盤石の体制を築いておられる。
「ウチの社長とはよく会ってるみたいけど、
たまにはここにも顔を出してね」
そう言って頂けるだけで、
たぶんボクの仕事は終わっていて・・・。
そう思いながら曖昧に笑う。
「来年こそは4回は参ります」
「あのね、去年も同じようなこと言ってたわよ」
しばらく談笑して失礼する時に、
いつものように玄関先に出て見送って下さった。
「まだまだあいさつ回りでしょ。気をつけて」
たかだか出入り業者へ、この心遣い。
それがあってこその優良企業。
本当の意味での「効率」とは何か。
それを今年も教えて頂く。
ありがとうございます。