仕事から帰ってすぐリビングへ向かおうとして、 老猫が亡くなっていることを思い出す。 すっかり熱が冷めた身体を何度も撫でながら、 ある話を思い出す。 「命を失った者は月の裏へと旅立ち、 そこで自らが望む過去や未来の姿となり自由に暮らす」 互いに向…
トイレのついでに部屋に戻り、窓を開けてタバコを吸う。 見上げると目の前の雲がほのかに明るく、 遠くの山々の稜線がうっすらと見える。 満月が近いのだろう。 明けた窓から部屋の暖気が外に流れ、 白く濁って空へと登るのが分かる。 天気予報では-20℃を下…
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