「万引き家族」を観ていて思ったこと。
リリー・フランキーさんのかっこよさについて。
美男ではない。が、とてもカッコいい。
身に纏う雰囲気とか、とても良い。
表現者としての才能もハンパない。
それは知っていたし、大好きな人であることに変わりはない。
でも、「万引き家族」でのリリーさんには、
ほんの少し違和感を覚えた。
無力で、無気力で、だらしなくーーー。
そんな男を演じながらも、どこかカッコ良く見えてしまったのだ。
救いのない状況にある赤の他人同士が、
互いに救いを求めて暮らす。
あの「家族」の成り立ちがそんな設定なので、
リリーさんが根っからの悪人やダメ人間に見える訳はない。
そう分かっていながらも・・・。
それが、リリーさん御本人によるものか演出の狙いか、
はたまた、ボクの色眼鏡によるのかは不明だし、
それが良いとか悪いとかではないのだが。
カッコ良く見えてしまったとするなら、
ちょっと違うのかなと。
比較するのはおかしいかもしれないが、
「鬼畜」で緒形拳さんが演じた竹下宗吉が頭に浮かんだ。
見た目はカッコ良く女にモテるが、
臆病で優柔不断でだらしない。
それが取り返しのつかない悲劇へとつながり、
全編を通じて軽蔑と嫌悪と憎悪の権化となるほど、
情けない男を演じておられた
「だから?」と言われればそれまでなんだけどね(笑)