今日は道内同業者の勉強会だった。
共通のビジネスパートナーであるメーカー販社から、
昨年度の総括と今年度の方針と、働き方改革への取組みについて聞いた。
その後の懇親会は4月から転勤となった前任者の送別会も兼ねており、
別れを惜しみつつの和やかな会となった。
その席上で勉強会の創設メンバーであり顧問役となったISMさんが言った。
「今日はHSMTさんの命日だね。
きっと今もどっかから見てくれてるはずだから」
そう言ってみんなで献杯をした。
HSMTさんは3代目会長で2018年に亡くなられた。
それがこの勉強会の翌々日だったこともあり、
メンバー全員が大きなショックを受けた。
特に、勉強会からの懇親会を経て、
ホテルに帰る最後の姿を見送ったのがISMさんとボクだった。
「なんで?」
亡くなったことを知らせるために電話すると、
ISMさんは怒りや絶望が混ざった声を上げると、
そのまましばらく絶句した。
いつもみんなを気にかけ、この会を盛り上げてくれたHSMTさん。
もう4年が経ったが、4月の勉強会では誰からともなく話題となる。
そういう方だった。
「納骨されたのかな?」
みんなと別れて2人で飲みに行くと、ISMさんが訊く。
「まだご自宅だそうです」
「俺たちも気をつけなきゃな」
テーブルには3つのワイングラス。
話題が代わりに時間が過ぎても、
真ん中に置いたグラスだけは、いつまでも酒が減らなかった。