金融機関に勤めるSTさんと飲んだ。
弊社を担当し始めた頃から、
「いつか」と言いながらコロナに阻まれ続け。
「もしかすると4月で転勤かもしれません」
つい先日、そんな話をしていたのだが、
念願叶ってようやく。
「しかし、ずいぶんと物好きだねぇ。
オレと飲んだってなんの得も無いよ」
「失礼ながらこれは仕事飲みじゃ無いので。
めちゃくちゃ楽しみだったんですよ」
30代前半。
童顔でひと懐っこいキャラを活かして要望を聞き出し、
それに関連するサービスや情報を分かりやすく解説する。
意欲的で野心もあり、
それを客に上手に見せる術を持っている。
これまでの担当者の中で一番仕事ができるのは、
すぐに分かった。
ただ、少し変わったところがあるなぁ、と思っていた。
「えぇ? どこらへんですか?」
「全体的になんとなく、かな」
「あはははは。ぜんぜん分からないです。
ST改善のためのヒント、下さ〜い」
そう。そういう「崩し方」。
人との距離の縮め方が独特で、
しかも好感が持てる。
「あれ? もしかしてボク、褒められましたか?」
お酒が進み少しずつ打ち解けていく。
金融機関の担当者と、
こんなふうに飲む機会を持つなんて、
想像もしていなかった。
楽しい夜だ。