Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

田舎たる所以 #1

池田暮らしの七か条』  福井県池田広報誌より

 

福井県池田町の広報誌に掲載された、

「池田暮らしの七か条」が大きな話題となった。

 

大都会とは言えずとも首都圏近郊で生まれ育ち、

35歳で北海道の田舎町に移住した者として、

それを読んで2つの想いが交錯した。

 

「だから田舎は人が減る」との意見に頷く自分と、

「でなきゃ田舎は消える」と納得する自分だ。

 

国として人口減少にあえぐ中にあって、

致命的に利便性が劣り、

色濃い人間関係が必然となる地方の田舎町は一時期、

移住者による人口増を狙った。

 

地方創生を目指す国の方針による補助金を原資とし、

一時はかなり加熱したが、

大半の自治体のそれは失敗に終わった。

というのも、結局の所はふるさと納税と同様に、

単なる「おまけ合戦」に埋没したからだ。

 

土地や家屋の取得や家賃などへの補助や、

子どもたちの教育費や医療費の無償化など、

経済的な支援に終始した。

 

それはそれで大切ではあるが、

その町で暮らしたいと望んでの移住ならまだしも、

生活全般に関わるコストを抑えるのが主目的で、

壊滅的に利便性が悪く、

人間関係でもめんどうが尽きない田舎暮らしは、

ただただ過酷でしかない。

 

ロケーションや地場産業などを含むその町の魅力など、

最も大切な本質が置き去りにされた移住は、

いともたやすく破綻し、終りを迎える。

ボクの町でもそういう人たちを何人も見てきた。

 

長くなるので、つづく(笑)