Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

激闘の余韻

写真:©︎Naoki Fukuda

改めてフルトンと井上尚弥選手の試合を観た。

 

1R開始早々、まず驚いたのは両者の姿勢。

 

井上はほぼアップライトで左腕を下げる、

好戦的な構え。

フルトンは極端な後重心で広いスタンス。

 

フルトン陣営の井上への警戒心の強さの表れだが、

パンチを繰り出す以前の状態で、

すでにフルトンの体格的優位は、

その半分が消滅。

 

井上はそんな対策を見透かしているかのように、

鋭い踏み込みから左ジャブを中心に、

上下のパンチを打ち込む。

 

フルトンは大きく広げたスタンスの左足で、

井上の左足を踏み、

その突進力を抑制しようとするも、

井上とレフェリーから注意され、その後は修正。

 

フルトン得意のクリンチも軽く解かれ、

ようやく組み合った時にも、

井上が強烈なパンチを後頭部付近に見舞ったことで、

その後のフルトンの動きに迷いが出た。

 

4Rあたりからのフルトンはスタンスを狭め、

井上との撃ち合いの距離に身を置き、

両者の有効打がヒットする場面が増える。

 

だが、パワーの差は歴然。

井上のパンチを受けたフルトンが、

体勢を崩すシーンが目立つようになる。

 

だが、フルトンも2団体統一王者にふさわしく、

ディフェンスやフットワークやカウンターなど、

技術の高さを見せる場面もあり、

特に7Rは何度も井上にパンチをヒットさせた。

 

だが、8R開始からわずか30秒ほどで、

井上の鋭い左ボディからの右ストレートが、

フルトンの左テンプルを直撃。

 

フラついたフルトンのグローブがリングに着き、

レフェリーが止めに入ろうと動き出すも、

井上のガゼルパンチがフルトンの右アゴにヒット。

 

生涯ダウン経験の無かったフルトンも、

たまらずダウン。

 

なんとか立ち上がりクリンチで凌ごうとするも、

井上がフルパワーのパンチをフル回転で打ち込むと、

その度にフルトンの体は前後左右に大きく振られ、

最後は青コーナーに押し込められてラッシュを浴び、

レフェリーが止めに入るタイミングで、崩れ落ちた。

 

試合後も井上尚弥選手のコメントが、

いつになく相手選手に対して辛辣だったのは、

それだけ張り詰めた闘いだったことの表れに思えた。

 

とまれ。

生涯最強の敵と目されたフルトンを見事にTKO。

転級初戦で一気に2団体統一王者に・・・。

もう、何が何やら(笑)

 

井上尚弥選手、

改めて、おめでとうございます!

 

素晴らしい試合をありがとうございました。