Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

哀しき報せ

写真:西村尚己 アフロスポーツ

ボクサーの穴口一輝選手が亡くなられた。

 

昨年末の日本バンタム級タイトル戦後、

意識を失って病院に救急搬送され闘病しておられたが、

2日に帰らぬ人となってしまった。

 

10ラウンドで行われたこの試合で、

穴口選手は4度のダウンを奪われ判定負け喫したが、

それ以外のラウンドでは、

ポイントで対戦相手を上回っていた。

 

つまり、穴口選手が一方的に打たれていたのではなく、

両者が一歩も引かない激戦。

 

プロのレフェリーやセコンドであっても、

ストップの判断が難しい流れの中で起きてしまった、

リング禍だったのだろうと推察する。

 

ボクシングは危険を伴う。

 

いつボクシングが生まれ、

どんな歴史を辿ってきたのか詳しくは知らない。

 

だが、近代ボクシングはおそらく、

選手の安全性を確保するための努力あってこそ、

存続し発展したのだろうと思うし、

今後もさらに安全性を高めるために、

団体や関係者は努力を継続するだろう。

 

ただ、「格闘技」とか「スポーツ」とか、

ボクシングをどんな言葉や表現で区別をしようとも、

危険が伴う本質と事実は揺るがないし、

その度合いを他の格闘技や競技と比較しても意味は無い。

 

ほぼ面識のない相手と、

ほぼ裸に近い格好でリングに上がり、

観衆の前で殴り合う。

そして、観衆はその姿に熱狂する。

 

それがボクシングなのだと思うし、

穴口選手はボクシングが大好きだったはず。

 

「皆様のご厚意、本当にありがとうございました。

 感謝の言葉しかありません。

 こんなに沢山の方々が

 息子の応援をしてくれているのかと思うと

 胸がいっぱいです。

 息子は昨日まで、家族、山下会長をはじめ、

 ボクシング関係者、ファンの皆様の期待に応えようと

 必死に戦ってくれました。

 凄く誇らしいです。

 皆様には息子を愛していただき

 ありがとうございます。 穴口」

 

穴口選手もそのご家族も、

ボクシングがより安全で、

多くに人に愛されることを願っていると思う。

 

穴口一輝選手のご冥福を心よりお祈りします。