肩を揺すられた。ように思えた。
ギシ・・・。
ギシ、ギシ、ギシ・・・。
本やCDやDVDをたんまりと詰め込んだエレクターが軋んだ。
「あっ!」
と思うと同時に、iPhoneがけたたましく鳴った。
画面を見るまでもメッセージの中身が分かった。
激しく家が揺さぶられていたから。
ギシ、ギシ、ギシ・・・。
ギ、ギシ、ギシ・・・。
・・・ギシ、ギ・・・。
不穏な余韻を残して揺れが収まる。
部屋の電灯をとスイッチを押すが、付かない。
仕方なくiPhoneを手に取り、立ち上げる。
そこには分かりきっため緊急速報が表示されていた。
ベッドを抜け出して窓を開けると、
町はこれまでに見たことのない暗闇の中にあり、
遠くを走る車の音が聴こえるほど静まり返っていた。
見上げると空一面に溢れんばかりの星。
その不釣り合いなほどの美しさが、
さきほどの地震の強さを物語っていた。