Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

宇宙から

「科学者としては、

 その可能性を100%排除することはできない。

 だが、知的生命体が高速電波バースト(FRB)の発生源だとは、

 天文学者は誰一人として考えていない」

カナダ・マギル大学天文学者

シュリハーシュ・テンドルカール氏の言葉が印象的だった。

太陽系がある天の川銀河の外部、

それも、はるか遠方から複数回にわたり、

連続的に放射された謎の電波が検出され、

科学誌ネイチャーに9日、2件の研究論文が発表された。

今回観測されたFRBのフラッシュはほんの一瞬の現象だが、

太陽の1万年分に匹敵するエネルギーが放射されることも、

考えられるという。

そして、このような高エネルギーの正体をめぐっては、

今なお激しい議論が続いている。

FRBは2007年以降に60回以上記録されているが、

2012年にで観測された1例でのみ、

複数回の再発が確認されていた。

考えられる発生源として、

星形成が行われる乱流ガス雲による宇宙の激変現象や、

超新星など星の爆発といったものが挙げられる。

それだけに、連続して放射される電波バーストは特殊。

さらに重要なのは2012年と今回発見された反復FRBは、

その性質が非常によく似ていることだという。

それらの状況から、

これらの謎の電波パルスは、

宇宙のどこか別の場所に存在する知的生命体を示すものでは?

また瓶に入れられたメッセージとは考えられないのだろうか?

との質問を受けたテンドルカール氏が、冒頭のように答えた。

科学者として。天文学者として。

その立場によって、

可能性の捉え方がまったく違うというのがおもしろい。

観測機器の進歩によって検知の可能性が高まったのか?

はたまた、人類が知らぬ現象であるのか?

いずれにしても、宇宙の何処かで発生しているのは、

まさに天文学的なエネルギーの放射。

それがなんであれ、

ボクたちへの「手紙」であることに変わりはない。