大坂なおみ選手が初戦で姿を消す波乱が起きた。
ドバイ・デューティフリー・テニス選手権でのこと。
シングルス2回戦が行われ、
第1シードの大坂なおみは世界ランク67位のムラデノヴィックに、
3-6, 3-6のストレートで完敗。
新女王となって初めての大会。
そして、新女王の座を共に勝ち獲ったコーチを解任後、初めての大会。
日本だけでなく世界のテニスファンや関係者が注目する試合で、
ランク的格下に完敗とあって大きなニュースに。
批判的であれ擁護的であれ、
コーチ解任には批判的、もしくは心配する意見が多く見られた。
また、web上ではどさくさ紛れの罵詈雑言など、
読むに耐えないものも少なくなかった。
そうした批判や激励が入り混じるのを
改めてスポーツが内包する残酷さに背筋が凍る。
スポーツやエンターテイメントにおいては、
人種や性別や年齢を超えて活躍し、
栄光と喝采を受けられる可能性がある。
その反面、多くの人に注目され批判も集まる。
コート上ではしなやかで美しく強い。
そんな彼女の姿はまるで黒豹のようで、
どこかに孤独と脆さを併せ持っているように見える。
栄光と零落は背中合わせ。
それが世界的に活躍する者たちの宿命。
そう言ってしまえばそれまでだが、
コートを離れればあどけなさが残る21歳の女性。
他人が言うのはたやすいと知りつつ、願わずにいられない。
早く気持ちを切り替え、
あの素晴らしい笑顔が彼女に戻りますように、と。