「何やってんだよ!」
敵対国が自ら泥沼にはまろうとしているのに、
なぜかとても腹がたった。
カタールW杯のアジア2次予選。
ホームで日本を迎え撃つタジキスタンは前半、
スタジアムを埋め尽くした熱狂的サポーターの声に後押しされ、
日本をすんでのところまで追い詰めた。
だが、終わってみれば0-3の完敗。
その結果だけ見ればFIFAランキングの順位どおり、
日本が格の違いを示したことになる。
でも、ボクの目にはタジキスタンが自滅したようにみえた。
特に前半はコンパクトな陣形からボールを奪うと、
緩急を付けたパスワークでゴールに迫り、
日本に冷や汗をかかせた。
決定的場面を権田がスーパーセーブで防いだのは大きい。
しかし、タジキスタンが攻めきれなかったのは、
そうした日本のプレー以前に、自らリズムを崩したからだ。
ボールを持った時の鋭く速いパス回しは脅威だったが、
攻めきれないとなれば彼らはあからさまに転んでファールをねだり、
痛んだふりをして時間を浪費した。
リードして迎えた終盤ならともかく、スコアレスなのに。
相手をイラつかせペースを乱すのが狙いだったのだろうが、
この試合においては完全に裏目。
彼らがピッチに転がっている間、
日本代表は水分補給をしながら息を整え、
ベンチを含め連携を確認しあっていた。
「たら」も「れば」もないのは承知だが、
彼らがもっとうまく立ち回っていたら、
日本は負けていたかもしれない。
そう思うくらいタジキスタンのパス回しは怖かった。
格下に負けてしまいそうな日本。
大番狂わせのチャンスを自ら逃すタジキスタン。
だからこそなおさらイラついて、冒頭の言葉。
あぁ、疲れた。