Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

さよならテレスコープ

宇宙から届けられた美しい画像に息を呑む。

スピッツァー宇宙望遠鏡は打ち上げからの16年間で、

多くの功績を残しこの1月で役目を終えた。

スピッツァーはスクールバスほどの大きさで、

そのミッションは赤外光を使って宇宙を探ることだった。

宇宙はとても寒く、

わずかな熱の変化でさえ検出が難しいケースもある。

スピッツァーに赤外線望遠鏡が搭載されたのはそのためだ。

その性能をいかんなく発揮し、

当初予定されていた最低寿命を14年近く過ぎてもなお、

人類がこれまで観られなかった宇宙の姿を明らかにしてきたが、

残念ながらその頑張りも終わりを迎えた。

スピッツァーは数年前に冷却材が尽きたうえに、

地球から少しずつ遠ざかっており運用が難しくなったのだ。

スピッツァーが送ってきた数々の画像を眺めながら、

その昔、飛行機の機内から観たオーロラを思い出していた。

宇宙が作り出す現象(造形?)には、

美しさと儚さと妖艶さが入り混じっており、

その得も言われぬ様に心を奪われ時間を忘れる。

スピッツァーはその役割を終えたが、

これからも宇宙を彷徨いながら、

そうした美しい現象を目撃し続ける。

おつかれさまでした。

ありがとう。