「なんとも表現しづらい雰囲気だったなぁ」
近所で新規開店する割烹のプレオープンに呼ばれ、
その後に立ち寄ったスナックでMSKさんがつぶやいた。
「それこそが『売り』なんでしょ、きっと」
MSKさんとボクの共通の知人であり、
若手でやり手の青年実業家のKH。
彼が手掛けた4件目の飲食店は本格派の香りに満ちていた。
「確かに、あのテの店はどこにもないな」
「大衆化という無目的さで埋没するより、
ピンポイントの魅力で特化。
KHらしいと思いますね」
同じ地元を商圏とする事業所の経営者として、
KHをスゴいと思う。
「俺らもなんかしなきゃなぁ」
MSKさんが眠そうな目でマジメに言う。
「ホントっすね」
新しく入れたジャック・ダニエルのシングルバレルが、
やけに沁みる夜でした(笑)