「入浴剤を入れておいたから」
朝、風呂に入る時にオフクロが言った。
「入れなくていいのに」
ボクは浴槽のお湯で髪を洗うので、
そういうのがきらい。
「大丈夫。髪を洗うにも良いヤツらしいから」
やたらと自信満々。
さぞお気に入りなのだろうが、
それが「誰にとっても」ではないと思うのだが・・・。
母とはまったくもって理不尽な存在だ。
そう思いながら入浴剤の効能を見つつ、
風呂で身体を温める。
お、なんだ。
お湯のいつもどおりの41℃なのに、
今日はやたらと汗がでるぢぁねぇか。
こ、これは本物かも。
「良かったでしょ?」
風呂上がりにオフクロが得意げに言う。
ま、そういうこともある。
たまには。