株価が上昇し続け、大台突破。
平均株価が¥30,000を超えたのは30年ぶりだという。
その頃に記録した日本の平均株価の最高値は38,957円44銭。
後に「バブル景気」と呼ばれたバカ騒ぎはあっという間に破裂し、
戦後、驚異的な経済発展を続けていた日本に深刻なダメージを与え、
長期に渡った経済停滞は今なおその影を色濃く残している。
その頃、ボクは20代。
軽い栄養失調となるほどの極貧プー太郎生活を経て就職するも、
初任給は手取りで10万弱。
大卒で就職した同世代の華やかな生活ぶりには、
嫉妬すのも恥ずかしくなるほどだった。
だが、今、ボクは当時の自分が置かれていた環境に、
とても感謝している。
給料日までの残り2週間の時点で、
食費の残金が¥3,000-を超えていると安心した。
ライブに出かけCDや本を買い、テニスをしバイクに乗れるなら、
半月間の昼飯が肉まんとピザまん1個ずつでも十分幸せだった。
そして、ボクは今、その頃に感じた幸せを、
金では買えないと知っている。
お金は大切だ。
だからこそ、その大切さを単なる数値に置き換えはしない。