「責任」との言葉を軽々しく口にできなくなって久しい。
そこに至った経緯などはさておき、
この問題についてはその言葉の意味を考えずにはいられない。
井岡一翔選手の違反薬物使用疑惑は、
「勘違いでした」との謝罪だけで済まされて良いのか?
使用禁止薬物を取り締まることに異論はないし、
アンチ・ドーピングについても同様で、
違反者に対する処罰は厳しくて良いと思う。
だからこそ、
取り締まる側には慎重で厳正な姿勢が求められるはずだが、
日本ボクシングコミッション(JBC)には、
そうした自覚はまったく感じられ無い。
採取された検体を、
JBC職員がリュックサックに入れて自宅に持ち帰り、
1月5日まで自宅の冷蔵庫で保管された後、
都内病院で冷凍保管。
その時点で厳密な検査結果は得られないにも関わらず、
陽性反応が出たとの情報を、
警察やマスコミに対してリークした。
つまり、ザル。
ルールに沿った健全でフェアな競技と興行の実現し、
ボクシング振興に努めるのがJBC本来の役割。
そこにはもちろん、
ボクサーの名誉を守ることも含まれている。
競技に人生と命をかけているアスリートを、
いったい何だと思っているのか?
「あたかもドーピングがあったかのような
印象を与えてしまったことを関係者、
井岡選手に心よりお詫びしたい。
井岡選手の名誉回復に努めたい」
「ドーピング検査に色々なそご(行き違い)があった。
それをまず正すことが責任の取り方だと思う」
JBCの永田理事長に反省の色は見られない。
恥を知れ。