大晦日に防衛戦を行う。
IBF世界同級王者のアンカハスとの対戦が流れ、
恒例だった大晦日の試合は観られないのだと、
残念がっていたら、
同級6位の福永亮次との防衛戦が決まった。
せっかく身体を仕上げた井岡と、
世界のベルト奪取のチャンスと観る福永。
両者の思惑が一致してこの試合が実現したのだろう。
また前戦では微妙な判定にもつれ込んだ井岡は、
誰もが納得する勝ち方で、
アンカハスとの統一戦に弾みをつけたい。
一方の福永は25歳でボクシングを始め、
30歳で全日本新人王を獲得し、
33歳でWBOアジアパシフィック王者になり、
夢の世界チャンプまであと一歩。
そんな想いも交錯しているように感じる。
19戦で15勝14KOと強打が自慢の福永は、
左右ともにガードが下がるように思う。
それを改善するか、罠として使うかが見どころ。
対する井岡は、しっかりとディフェンスしながら、
着実に相手を弱らせる巧者。
普通に考えれば、圧倒的に井岡が優勢。
しかし、それ故に「完璧なKO勝ち」が必須の立場。
積極的に打ち合って倒しに行くとすれば、
当然リスクも大きくなる。
井岡は32歳。福永は35歳。
これまでの歩みと実績は大きく違えど、
リングに上がればそんなものは関係ないし、
お互いに寄り道する時間は残っていない。
そんな2人の立ち位置と思惑が生み出す、
スリリングなドラマをしっかりと見届けたい。
予想は井岡が中盤でKO勝ち。