知人から引き取った古い小型の和箪笥。
100年近く前のものらしく、とても良い雰囲気。
材質も作りもしっかりしているので、
もったいないと一度は断ったのだが、
「使ってくれるなら誰でも」と頼まれた。
アンティーク好きの友人が思い浮かんだので、
連絡をしたところすぐに見に来てくれた。
「え? これ? 良いね。すごく良い!」
彼は驚いて、確認した。
「ぜひとも頂きたいけど、ちなみにおいくら?」
「いやいや。
大切に使ってくれるならお金はいらないって」
「え”え”ぇっ!? ホントに?」
廃墟になりかけていた古民家を買い、
数年がかりでご夫婦でリノベーションをし、
今でもそこで暮らしている。
そういう人だからこそ、お願いした。
「なんだ、この、ごほうび。
スゲェうれしいです」
こちらこそ。
ありがとう。