「こんなこともあるんだな」
出発から約300km。
5時間近いドライブのほぼすべてが、
濃霧と雨の中だった。
だが、目的地である霧多布岬では、
ほんの少し晴れ間が見えた。
海にせり出す断崖絶壁から眺めると、
霧に包まれたエリアと雨が降っているエリアと、
うっすらとした晴れ間が混ざり合う。
なんとも幻想的な風景を楽しみながら歩いていると、
望遠レンズを海に向けている方たちがおられた。
何を撮っているのかと目を凝らすと、
荒れた波間にラッコ!
初の野良ラッコに興奮しながら霧多布を後にして、
昼食の目星をつける。
TORさんとボクは好き嫌いのクセが強いので、
出かけるとほぼ同じ系統のお店にしか行かない。
それが蕎麦であり町中華でありイタリアンでありバー。
だが、今回はボクの大好物である牡蠣の超名産地、
厚岸を通過するのでオイスターバーへ。
TORさんが気を使って下さったのだ。
「大丈夫。オレはカキフライとグラタン食べるから」
牡蠣とウイスキーの食べ飲み比べセットを2つ注文。
TORさんは2セット分のウイスキーを、
ボクが2セット分の生牡蠣を楽しんだ。
「温泉は釧路に戻ってからが良いかも」
急ぐことはない。
ゆっくりのんびり参りましょう。