「パンの味が落ちた」
おふくろといつも行くファミレスで、
そんなようなことを言っておられる方がいた。
そこは1年ほど前にオープンした、
比較的新しい大手系列店なのだが、
ボクは一度たりとて、
その店のパンをおいしいと感じていなかったし、
さらに味が落ちたとも思わないので、
逆にとても意外だった(笑)
「最近の物価高とか関係してるのかも。
ここは値上げしてないから」
「確かに値上げしてないのは立派だけど、
味を落としちゃダメよねぇ」
事実はどうあれ、説得力はやたらとある。
味が落ちても致し方ない要因としては、
これ以上無いとさえ思う。
そして、こうした会話を発端として、
「○○のパンは味が落ちた」との評価が、
既成事実化していくのだろう。
ムキになってかばう気など無いが、
この店のパンの味はオープン以来変わっていないと思う。
安定的にうまくない。
もともとおいしくなかったのだが、
近隣では見かけないファミレスの新鮮さにゆえに、
おいしいと勝手に思い込んでいただけだろう。
朝のファミレスでうまくないパンを頬張りながら、
人の感じ方って怖いなぁ、と思った。