「うーん。電波は正常に飛んでるんですよねぇ」
高さや角度や距離を変えてテスターを操作しながら、
バイク屋の店主は首を傾げる。
「ゲート前でのインジケーターは?」
「正常だった」
「行きも帰りも?」
「うん」
「だとすると、できることは限られちゃうなぁ」
そうだよね。
車載器が正常に作動し、テスターも電波を拾う。
つまり、何も問題が無いのだ。
「次回走る時に試してほしいのですが、
フロントカウルとメーターに間に入れているバッグを、
取り外して下さい。
あと、走っている時に、
インジケーターがエラーにならないか、
こまめにチェックして下さい」
フロントカウルとメーターの間に入れているバッグは、
中身はどうあれ、
アンテナを覆ってはいるので原因になり得る。
そして、接触不良や断線がらみならば、
走行時の振動で通電しなくなることはあり得る。
前者ならまだしも、後者だと厄介だなぁ。
本体の買い替えも覚悟しつつ、
近いうちにゲートチェックへ行こうと思う。