「数十年に1度」から「いまだ経験したことのない」へ。
気象状況による危険度を伝える言葉の変化よって、
気象が変わったのだなとの実感を得る。
「お盆を過ぎれば」
北海道へ移住した20年ほど前は、
30℃を超える気温に驚いていると、
地元の方々に言われた。
確かに、夏の盛りにあっても、
夜になれば開け放った窓からは、
心地良い涼風が部屋へ流れ込んでいた。
そして、実際にお盆を過ぎると、
誰かが冷房を入れたんじゃないかってほどに、
しっかり気温が下がったものだった。
それが数年前から変わった。
夏の陽射しはその力を増幅させ、
昼夜問わずに暑さが和らぐことが少なくなり、
エアコンが家電店から消えることが多くなった。
「気温や降水量などの異常を判断する場合、
ある場所(地域)・ある時期(週、月、季節)において、
30年に1回以下で発生する現象」
気象庁が定義に従うとすれば、
北海道のこの夏はまさに異常気象。
「地球温暖化」から「地球沸騰化」へ。
ショッキングな表現が、
以前より確実に現実味を帯びている。