「ビッとしたのお願いしますね」
HGCはイタズラっぽい声で言った。
「難しいこと言うねぇ」
冷静にかわす。
「えぇ。最後くらいは、ぜひ」
総会も送別会も終わり、すっかりお役御免モードに入っているボクに、挨拶文を書けと言うのだ。
で、その〆切が今日。つーか、まさに今。
でも、書けていない。一行も。いや、一文字も。で、現実逃避でこのブログの縦書きにチャレンジしている。
年に約六回発行される会報に、十年間で何度挨拶やお礼を書いたことか。それも今回で最後となる。
「だから、こそ。ビッとしたやつ、お願いしますよ」
面倒くさいワケじゃないよ。でもさ、最後だからって「ビッ」とした文章を書けるほどの文才はない。むしろ、そんなモノが微塵でもあるなら、今までも「ビッ」とした文章をバンバン書くワケで(笑)
でも、HGCが言うように最後なのだから、ちょっとは「ビッ」とした文章を書いてみたくなり、一応ガンバってみたものの、約五日間で一文字も書けていない。
そろそろ約束の十八時。どのくらいで催促がくるかなぁ。なんて言い訳しようかな。
「ビッとした文章って例えばどんな文章ですか?」
そう質問したらアイツ、怒るかな? それとも呆れるかな?
そんないらんことばかり考えてニヤニヤする。
いいよね。これで最後だもの。