スガシカオが好きだった。
1〜3rd頃まではいつものように聴いていた。
特に1stアルバムの時のショックは今も忘れない。
エラそうに解説するまでもないが、
不穏さを湛えた歌詞と少しハスキーな声。
それをうねったサウンドに乗せた独自の雰囲気は、
かなり鮮烈だった。
恐れながら、「音」だけにフォーカスすれば、
当時にもそれ以前にももっと黒人音楽的なものはあったと思う。
でも、スガシカオの曲には何か違うものを感じた。
ファンクとかソウルといったテイストを色濃く持ちながら、
彼が紡ぐ歌詞と声に、それらを忘れさせられた。
笑われるかもしれないが、
ノラ・ジョーンズの1stアルバムを聴いた時に似た感覚を覚えた。
彼女が作る音楽が「JAZZ」なのだと認識したのは、
ずいぶん経ってからだった。
で、スガシカオに戻る。
「黄金の月」「月とナイフ」「Happy Birthday」などは、
今でもスペシャルな曲だが、
この「愛について」もまた、かなり好きだ。
この曲を聴くといつも想う。
「寒く暗い冬も悪くない」と。