Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

死闘を超えて

フルセット。

試合時間は3時間54分。

しかも日没延長とのオマケ付き。

そうした時間的な要素に加えて、

ペールとの攻防は観ているだけの者でさえ消耗さる激しさだった。

2-1からの第4セット。

タイブレークで2度のマッチポイントを逃してセット奪われると、

ムラっけが強いペールが勢いに乗る。

激しいストロークで襲いかかったかと思えば、

繊細なドロップショットを繰り出す。

まるで絶好調時の圭のようなプレーで、

最終セットは一時1-4まで引き離された。

そこから圭も得意の粘りを見せるが5-3とされ、ペールのサーブ。

地元の観客からの大声援を受け、

一気に勝利を決めたいペールだったが、

その焦りからか精彩を欠きゲームを落とす。

逆に吹っ切れた感じの圭が攻勢に転じ、4ゲームを連取。

2日間に渡る激闘の幕を下ろした。

その瞬間、ペールのファンで満員に膨れ上がった会場は、

落胆と失意のため息が溢れた。

圭は死闘を演じた相手と握手を交わすとコート中央にしゃがみこみ、

しばらく動けずにいた。

その姿からもタフな闘であったことが分かった。

なんとか勝った。

そして18年全英から4大大会連続ですべて8強以上との、

自身初の成績を残した。

同時期に同じ成績を収めているトップ10は、

ジョコビッチナダルだけ。

でも、その死闘の先で待ち受けるのは、

クレーの達人であり元王者のナダル

しかも、試合は明日だ。

世界の壁は厚く高い。