井上尚弥のラスベガス・デビューが近づいている。
ジェイソン・マロニーを挑戦者に迎えて、
MGMグランドの特設リングで開催される。
モロニーは21勝18KO(1敗)。
上下でダウンが取れるハードパンチャーであり、
ガードが高く常に頭を動かし的を絞らせない。
常に前に出ての接近戦を好み、
チャンスと見れば強烈な連打をまとめ、
一気に畳み掛けるタフさと勝負勘もある。
つまり、とてもバランスが良い選手なのだが、
ただ、攻撃的なスタイル故の被弾も少なくない。
そこが井上にとってもマロニーにとっても、
ポイントになるように思う。
マロニーは距離を置いての戦いもそこそここなすようだが、
基本的には接近戦での打ち合いでリズムを掴むように見えるし、
なにより、アウトボクシングで井上に勝つのは、
よほどのスピードとフットワークとテクニックがなければ、
マロニーに限らずかなり難しいように思う。
となれば、被弾覚悟での打ち合いにしか勝機は無い。
むしろ、互いの頭がぶつかるくらいの距離であれば、
井上もたやすく強打を繰り出せないので、
得意のボディーから上下に打ち分けて体力を奪い、
井上が時折見せる大振りにアッパーやフックを合わせる。
そのくらいしか、ボクには想像ができない。
ってことは、井上もそれは十分承知のハズで(笑)
贔屓目過ぎるとの批判は覚悟で書くが、
今回は井上の負けを想像することが難しい。
ただ、心配なことがひとつ。ドネア戦の影響だ。
強い相手との対戦は大きな財産になる。
そんな話をよく目にするが、
ドネアとの激戦は心体的ダメージも確実に残したはずで。
ある意味、井上は今回、マロニーとではなく、
ドネアの幻影と戦うことになるのではないか?
そんな気さえしてしまうのだ。
何にしても、ファンとしてのボクは井上の勝利を願っている。
それも、さらにモンスターと化した姿での圧勝を。