村上春樹の「一人称単数」を読み終えて、
しばらく経ったので感想を。
とても大切な何かを秘めていたのに、
ぼんやりとした印象しか残っていない夢みたいだった。
醒めた頭で「それ」を思い出そうとするのだが、
モヤとか霧みたいな断片が残っているだけで。
だからこそ、そこに注視してしまい、何かしらの意味を探す。
だが、その瞬間にそれらは消えてしまう。
後に残るのは、なんとも言えないもどかしさと喪失感だ。
忘れてはいけない大切な何かを、どうしても思い出せない。
そんな感じ。
ボクは研究者でもマニアでもないし、
人並みの想像力すら持たないので、
小説や音楽や映画などの作品に隠された「何か」を分析したり、
評論することができない。
なので、ただただ印象しか書けないのだが、
村上春樹の小説に登場する、
どこかしら奇妙な人たちとボクの物語には、
いつも強く惹かれる。
次は「職業としての小説家」。
来週からを読み始める。