「ラジオ番組をやるのは良いけどさ」
TORさんが新番組をやることに、
無条件でノリノリになるとはハナから思っていない。
だから、不安も含め苦言を呈されるのも想定済み。
「いったい誰が聴くのさ?」
「聴いて下さる人はもちろん大切ですけど、
ボクらはそんなレベルじゃないでしょ?」
話術や滑舌に関しては言うに及ばず、
情報量やそれらを使った仕掛けなど、
大手やプロに太刀打ちできるハズもない。
「じゃあ、何を聴いてもらうのさ?」
「ボクたちが楽しいと思えることが基本になります」
「それってただの自己満足じゃないの?」
「自己満足を全部排除したら、
それこそ大手やプロには敵わないのに、
同じようなことをしようとして自滅する。
それが多くのコミュニティーFMの現状ですよね?」
「またややこしいことを・・・」
TORさんが楽しそうに笑う。
「いろんな方をゲストにお呼びして作っていけば、
おのずとボクら2人の自己満足からは離れますし、
聴いてくれる人も増えるかもしれないでしょ?」
「ちょ、ちょっと待て。ゲストを呼ぶってトーク番組?
オレは喋らないぞ!」
「あはははは。喋ってもらいますよ、たんまりと」
「やだー。喋りたくなーい」
そうこうして、ボクらの楽しい作戦会議は続いた。