ボクが任されていた2つの街路灯管理団体のうち、
1つの団体の通帳を会計担当の方にお返しした。
残金を今後維持管理する団体に寄付し、
口座解約の手続を終えたからだ。
「一時はどうなることかと思ったけど、
ちゃんとしてくれたので助かったよ」
以前ほどの明るさは望めずとも、
防犯灯よりはずっと明るい状態を、
今後は町と商工関連団体が維持管理してくれる。
「あのままなら全部消えたかもしれないんだら。
それを思えば充分だよ」
街路灯管理団体の会計をお一人で40年以上務め、
集金や補助金申請の煩わしさに、
ずっとアタマを痛めてこられた。
ご高齢になられ、退任したいと申し出るも、
誰も引き継ぐとは口にしなかった。
「ホントにありがとう。助かったよ」
これまでの街路灯の支柱は、
8月に入ってから随時撤去されるという。
「いえいえ。ボクなんてたった2年でしたから。
こちらこそこれまで大変お世話になりまして。
ありがとうございました」
そういって別れてからもしばらく、
その方は街路灯を眺めておられた。