Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

+900gの切なさ

驚いた。

でも、その裏で納得もあった。

WBC世界フライ級王者比嘉大吾が減量に失敗し、

戦わずして王座を追われた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180415-00000075-spnannex-fight

フライ級の制限体重は50.8kg。

比嘉は1回目の計量で51.7kg。

再計量まで2時間の猶予を与えられたがギブアップ。

日本ボクシングコミッションによると、

世界戦で日本選手が計量に失敗するのは初めてとのこと。

16戦連続KOの日本新記録が掛かったV3戦の大一番だっただけに、

本人の悔しさはそれこそ「計り知れない」はずだ。

比嘉のフライ級のでの闘いは、

相手はもちろんのこと、自らウェイトとの死闘でもあった。

2月4日の前戦から約1週間で体重は62kgまで増え、

リミットまで11.2kgの減量が必要だったと聞く。

もっとも警戒して来た上での減量ミスは、

比嘉の身体がフライ級での闘いに適合できないことを意味している。

昨年5月の世界王座奪取前に、

比嘉はあまりにつらい減量でパニック症候群に陥っている。

同10月の初防衛戦では計量後の食事でおう吐し、体調を崩した。

昨年2月のV2戦は約1カ月前に風邪でダウン。

今回も1週間前のロードワークで倒れたという。

前戦から今戦までの間隔は70日。

その短さが減量対策であることは、

ボクのような素人でも想像に難くなかった。

3月の山中VSネリ戦以来、国内外で計量失格へ批判の声が強まる中、

再計量で1.3kgオーバーだったネリはJBCから永久追放となった。

JBC日本プロボクシング協会が、

体重超過に関する独自ルールを検討し始めた直後の、

不名誉な出来事となってしまった。

今回の比嘉の減量ミスをネリと同じケースとは思わない。

しかし、原因はともかく、結果は同じ体重超過。

「出場停止や罰金など厳格な処分を考えざるを得ない」

JBCの安河内事務局長はそう話す。

日本を代表するKOキングが、

この試練を乗り越えて世界王者として復活することと、

勝利した時にリング上で見せるあの笑顔を、

ずっと待っている。