WBA世界ライト級タイトルマッチは、
素晴らしい闘いの末に新王者が誕生した。
3階級制覇の王者ホルヘ・リナレスは17歳でベネズエラから単身来日。
帝拳ジムに所属する「日本育ち」のボクサーだ。
挑戦者のワシル・ロマチェンコは「現役最強」との呼び声高く、
この試合で史上最速となる12戦目での3階級制覇を狙う。
両者ともに「光速」と称されるスピードが持ち味。
序盤からスピーディーでハイレベルなパンチの交錯が続く。
しかし、その攻防のどちらにおいても、
常にロマチェンコが一歩勝っている印象。
さすが「パウンド・フォー・パウンド(全階級で最強)」で、
1位に君臨する選手だけのことはある。
パワーもスピードも超一流だ。
しかし、リナレスも負けていない。
6Rには攻勢に出たロマチェンコの一瞬の油断を捉え、
カウンターの右ストレートでダウンを奪う。
これはロマチェンコにとってプロ初のダウン。
しかし、その後は更にギアを上げたロマチェンコが攻勢に転じ、
お互いに勝負どころと強打を放ち合った10R、
強烈な左ボディーでリナレスをその闘志ごとねじ伏せた。
敗れたとは言えリナレスも評価を高めた。
2階級制覇を遂げたが2度目の防衛戦1RでまさかのTKO負け。
以降、打たれ弱さが指摘されるるも、そこから名実ともに再起。
14年の3階級制覇後からは敵地でのタフなファイトの連続で評価を高め、
現役生活15年目で今回のビッグマッチにたどり着いた。
戦前予想をはるかに上回る熱戦から、
試合後の記者会見では早くも再戦への質問も飛んだ。
これこれ。
これがボクシング。
この前の日本人元チャンピオンのは「らしき」もの。
世界には強いボクサーがゴロゴロしてる。
ホントにカッコイイし、スゴい。