「相手がコイツじゃなきゃなぁ」
心の中で何度思ったことか。
SNOちゃんも同じ事を思っているのだろう。
気まずそうに、照れたように、
何度も「うまい」とうなずくだけだった。
少し早めのランチだったので、
店内に2人ってのも恥ずかしさを増長させていた。
いつもなら互いに盛り上がる映画の話題すら、
今日はいま一つ集中しきれない。
そりゃそうだ。
オサレなお店でむさ苦しいおやぢと向き合うってツラい。
むしろ下品な雰囲気のお店の方がリラックスできて会話が弾む。
そのせいか、黙々と食べ続けて腹一杯。
オサレ感、台無しッス。