Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

ないもの

 そこに立つのは久しぶり。

 意図的か無意識か、もう分からない。

 いずれにしても、そこにあの時の名残りは無い。

 電車がホームに滑り込むと、ドライヤーのような暖かい風が流れる。バスを降りてから汗が止まらない。早く発車してくれないかな。

 音楽を聴きながら目を閉じる。昼の電車でのそんなことも久しぶり。

 このまま居眠りから覚めず、電車がずっと走り続けてくらたら良いのに。

 その願望だけがあの時のままだ。

 目を開けると渋谷。あと少し。

 外はきっと灼熱だ。