麻原彰晃をはじめ7人の死刑が6日、執行された。
弁護士一家の殺害や松本・地下鉄サリン散布など、
オウム真理教が起こした一連の凶悪事件での死者は29人。
それらを含めた社会的ショックの大きさは認めつつも、
世界(主要先進国)の反応は総じて否定的なようだ。
https://matome.naver.jp/odai/2153094188834557501
死刑廃止が世界の潮流となって久しいが、
日本は主要先進国で死刑制度を維持する数少ない国だ。
国内でも死刑の存廃をめぐる論争点は少なくなく、
特に日弁連は2020年までに死刑制度廃止をスローガンに掲げ、
躍起になっている。
死刑容認が80.3%と依然高水準で廃止を求める人はわずか9.7%
その乖離は反対派の主張に具体性が無いからとの見方もある。
『なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか』の著者で、
元裁判官で弁護士の森炎氏は言う。
『「残酷」「犯罪者の人権を守れ」と繰り返すばかりで、
「なぜ死刑を廃止が必要か」
「そのような社会はどうすれば実現するのか」
そうした具体案や議論がまったく抜けている』
https://diamond.jp/articles/-/165497
他方で、朝日新聞は少し違った角度から今回の問題を捉えており、
https://www.asahi.com/articles/ASL7C56J0L7CULZU013.html
https://www.asahi.com/articles/ASL76664BL76UCVL01S.html?ref=amp_login
罪と罰に対する考え方は、
国民性や道徳観と密接にリンクしている。
統計によれば、
世界各国の人口10万人当たり殺人発生件数において、
日本は201カ国中197番目に低い。
https://www.globalnote.jp/post-1697.html
殺人事件の発生率が少ない国だからこそ、
殺人という罪に対して重罰を望む。
または、その逆かも知れないが、
そうした事実を抜きにして「野蛮」「非人道的」と一方的に批判するのは、
あまりに傲慢ではないか?
そもそも、日本は死刑という重刑を残してはいるが、
存置国の中でもその執行率はけして高くない。
「主要先進国」「時代の潮流」という耳障りの良い言葉で、
前にならえと言うのは説得力に欠ける。
その一方で、死刑の意味を考えると強い疑問が残るのも事実。
死刑は本当に凶悪犯罪の歯止めとなっているか?
被害者や遺族や関係者の救済につながっているか?
何より、98%前後と言われる異常に高い有罪率にあって、
冤罪の可能性を排除できるのか?
答えは出ない。