Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

彼女が超えた大きな一歩

派手なガップポーズも歓喜の声も無かった。

最初のマッチポイントをサービスエースであっさり決め、

初の栄冠を手にした彼女は、

サンバイザーのつばを深く下ろして涙を隠した。

その仕草には憧れの舞台で勝ち切れた喜びの大きさと、

憧れの選手への敬意と、

それを破ってしまったことへの畏怖が混じり合っていた。

しなやかな黒豹のようにシェイプされた身体。

それから産まれるパワーと粘りあるプレーは、

まるで全盛期のウィリアムズ姉妹そのもの。

デジャヴを観ているような感覚に囚われた。

試合中のセリーナの言動や表彰式での観客からのブーイングに、

いろんな意見が出ているようだが、

それをしっかりと収めたセリーナと彼女のスピーチに、

そして最後は大声援で彼女を祝福した観客にも、

大きな拍手を送りたい。

おめでとう

あなたの素晴らしいプレーに心が震えた。

ありがとう。