MTNと飲んだ。
入院・手術を話した数少ない1人。
そして、わざわざお見舞いに来てくれた1人でもある。
「なんかね、やたらリアルで。ちっともオモシロくないし笑えなくて。
だからこそ、自分の身に置き換えるべきなんでしょうけどね」
「結果的にたいしたことなかったけど。
『脳で出血してる』って聞かされた時は遺書を書かなきゃと思った」
「珍しく『直接話したい』って電話もらって。
あぁ、これはただ事じゃないなって。
話す人はもちろんだろうけど、聴く側も覚悟いりますね」
「すまんな。余計なこと背負わせて」
「でもボクらの年齢で誰かと深く関わるって、
こういうことなんでしょうね」
「遺書、しっかり作って、書き方教えてやるから」
「けっこう。そのくらい、自分でやるわ!」
最後はいつも通りのお笑いモードに突入したが、
それもどこか手加減気味で。
「忘年会の時には飲めるようになってるかな?」
MTNが別れ際にボソっと言った。
そう、手術は終わったが、まだ完治ではないのだ。