「よりによってなんでヴァン・ヘイレンですか?」
新しいギターを買ったというKZKに、
音を聴かせてと動画をリクエスト。
「Beet it」の間奏をお願いしたら、とてもつれない返事。
「そもそもライトハンドとか速弾きって、苦手なんすよね」
それは知ってる。
これまでの話に中でも何度も言っていたし、
聴かせてもらった曲からも安易に想像できる。
だから、あえて言っているのだ。
「新しいギターを買ったなら練習しなさいよ。
それも死ぬほど。
練習しなきゃうまくなりませんからね」
「え? えっと、オレですか?
自他共認める練習嫌いで、
この数年で買い貯めたアコギもほぼ弾いてないあなたではなく?」
「中途半端に練習してかるら、目眩とか立ちくらみが出るの。
『JUMP』で許してやるから、さっさと弾きなさい」
「もう意味が分かりません。
というか、なんでライトハンドにそんなに食いつくので?」
「憧れたんだよねー、ライトハンド。
ゼッテー弾けねぇって分かってるからこそ、
なお憧れるんだよねー」
「・・・・・・。
ともかく、なんでヴァン・ヘイレンのJUMPですか?」
「間奏を弾いてる時のエディの笑顔ってかわいくね?」
「はぁ・・・。真剣に訊いて損しましたよ」
いやいや。マジでかわいいよね?
2:13あたりから観てみろって。
メチャウマのギターと笑顔に惚れるから。