「試合開始に際しての国歌斉唱では、
少し感情的になられていましたが」
オーストラリアに勝利した森保監督に、
アナウンサーがそう質問した。
「込み上げるものがあったようですが」とか、
「感極まっておられましたが」とかだろ?と思ったが、
アナウンサーはあえて感情的との言葉を選んだのかも。
そう思えるほど試合前の森保監督は窮地に立っていた。
日本代表はアジアNo.1で、W杯出場は楽勝。
そんなことはこれまで一度も思ったことはない。
だからこそ、強くあってほしいと心から願う。
先日も書いたように、
なんとなくW杯に出場できてしまい、
グループリーグやベスト16での敗退を繰り返すのは、
もうやめにしたい。
日本代表が世界の壁を突き破ってくれるのなら、
W杯出場を逃してもかまわないとさえ思う。
「W杯ベスト8以上」との目標は、
まさにこれまで越えられなかった壁の突破を意味する。
それに向けて何かしらの信念を秘めておられるだろうが、
今夜の勝利を待ってしても不安は消えず。
なんとも複雑な心境だからか、
ハイボールをいくら飲んでもぜんぜん酔えなかった。