高速を降りての峠道は、
圧雪アイスバーンの上に、
新雪がたんまりと積もった状態。
常にハンドルを取られ、
時にクルマのリアが流れる。
なので、スピードは上げられないが、
なんとか地元まで10kmを切ったあたりで、
前走車がハザードをたいて停車した。
工事か? 除雪か?
そう思ってしばらく停車していたが、
まったく動かず。
と、前走車のドライバーが車から降りて、
歩いて様子を見に行き、
その足でボクのクルマの横に立った。
「この先のカーブで、
トレーラー2台が車線を塞いで立ち往生してるね」
「脇を抜けられそうもない?」
「接触したみたいで、どっちも斜めになってて。
あの感じじゃ無理だわ。
しかもついさっきの事故みたい」
このあたりは携帯がつながらないので、
作業車を呼ぶには町まで戻らねばならず。
復旧にはかなりの時間が掛かるはず。
「戻って迂回した方が早いかなぁ」
ボクが独りごちると、
そのドライバーもうなずいた。
約10km戻って、隣町の国道から地元へ。
書くは容易いが約50km。
これを迂回と呼べるのか?
しかし、仕方ない。
なんとしても帰らねば!