「すまんな、突然」
弊社の得意先の会長であり、
後輩の父であり、
テニス仲間のYUKちゃんの父でもある御方からの電話。
いつもはぶっきらぼうな雰囲気なのだが、
今日はやけに声が明るい。
何かと思いきや、廃棄レベルの状態で良いので、
スチールの机を探してほしいとのこと。
最近はオフィス家具の入れ替えがめっきり減った上に、
殆どの場合、納入と廃棄をセットで行うので、
探すのに少々お時間を頂きます。
そうお伝えすると、また明るい声で返答。
「うんうん。いつでも良いんだ。
増えた盆栽を置く場所が無くてな、
もしやと思って訊いたんだ。
急いでないし、無理せずに」
しばらく雑談をして電話を切る間際、
その方が言った。
「忙しくしているんだろうけど、
たまには顔を見せろ。
誰も盆栽自慢を聞いてくれなくて寂しいんだ」
あぁ、そうか。と、思った。
先日、義母の忌明けで御礼にうかがった際に、
会社の玄関先で会長にお会いしたが、
社長が留守ですぐに失礼した。
そのことを気にかけて下さっているんだな。
だって、誰かの世話をすることは厭わずとも、
誰かの世話になったり弱音を吐くのをとても嫌う方。
何より、盆栽を並べる台くらいなら、
ご自身で気に入るようにいくらでも作れる方だ。
ありがたい。