Spiral-World

めくるめく世界での個人的な日記

ある意味、健闘

12月13日のタイトルマッチで、

井上尚弥選手がポール・バトラーにKO勝ちし、

世界バンタム級の王座統一に成功した。

 

井上圧勝との戦前予想ばかりが目に付いたが、

結果は11RでのTKO。

「井上にしては」手こずったようにも感じるが、

試合内容はこれまで同様に一方的だった。

 

それでも11RまでKOシーンが訪れなかったのは、

バトラーの「亀作戦」による。

 

ガードを固め脚を使って井上の猛攻をかわし続け、

スキを狙ってパンチを当て活路を開く。

その闘い方の特にディフェンス面において、

バトラーはかなり高いレベルで作戦を遂行した。

 

以前に同じような闘い方をした選手はいたが、

井上の圧力に屈して攻守の組み立てが中途半端になり、

餌食となってきたがバトラーは守りに徹した。

 

時折繰り出すパンチすら、

防御をより強固にするためのものであり、

井上に幾度となく屈辱的な挑発をされようと、

亀に徹した姿には驚きさえ憶えた。

 

しかし、日本が世界に誇るモンスターは、

その硬い甲羅と強固な意思すら打ち砕いた。

 

KOに至る直前に井上が繰り出した右ボディは、

その音が会場に響き渡るほど強烈で。

猛攻にずっと耐えてきたバトラーも、

ついに脚が止まり怪物のラッシュに巻き込まれ倒れた。

 

4団体統一が掛かった大一番。

両者が激しく打ち合った末の決着を望んでいたが、

消極的ではあったもののバトラーもスゴいよな。

 

あれだけプレッシャーと猛攻を受けながら、

井上のスキやスタミナ切れを待つ作戦を遂行するには、

よほど強いメンタルを持っていなければなるまい。

つまり、バトラーは健闘したのだと思う。

 

なんにしても、井上尚弥選手に心から感謝したい。

あなたのボクシングをリアルタイムで観られることが、

この上なく幸せです。

 

おめでとうございます。

次はSバンタム!

楽しみにしています。