「将来的には検討する可能性があるかも。
そんな程度なんですけど」
今日はWebミーティング。
昨年の秋頃からかなり熱心に営業をしてくる、
M&Aのコンサル会社と初めてのコンタクト。
相手に余計な手間を掛けては申し訳ないので、
挨拶を終えてすぐに率直に話した。
「事業承継を楽観視はしてないんだけど、
焦ってやることじゃないと思ってます」
担当の若い男性営業は、
「ごもっとも」と書かれたような表情でうなずき、
ディスプレイ越しに言った。
「可能性はお有りとの事ですが、
それはどのような理由からかお訊きできますか?」
あぁ。きっとかなり仕事ができる人だな。
たった一言のやり取りだったが、そう感じた。
営業を生業とする者として、
M&Aはかなり難易度が高い「商材」を扱っていると、
漠然とだがイメージしていた。
成約に至るまでには、
相当の段取りと配慮が必要になるはずだが、
彼はそれを全く苦にしていないどころか、
むしろ楽しんでいるのだろうと感じたのだ。
彼はさり気なく弊社やボクの事情を聞き出し、
30分が経過した頃に言った。
「近いうちに北海道へ伺いますので、
お時間いただけませんか?」
彼が働いているのは東京都内。
他の仕事のついでがあるのか訊くと、
涼しい顔で続ける。
「いえ。御社の案件だけです」
モンスター井上尚弥なみのステップイン(笑)
さすがは大手。
恐るべし。