村田兆治さんが亡くなられた。
華麗さとは対局。
どこかデッサン人形やクレイアニメのようで、
ギクシャクとして見える独特な投球フォーム。
だが、背中を反らせ両手を天に突き上げるワインドアップは、
どこか美しくすらあり、
指先から放たれたボールは魔球レベル。
球速を超えたキレと迫力で、
並み居る強打者をキリキリ舞いさせた。
豪快にして唯一無二。
そんな投球に子どもの頃、無条件で惹きつけられた。
浮き沈みの激しいチームではあったが、
引退までに215の勝ち星を重ね、
球界を代表する存在となった。
引退後も子どもたちの指導に情熱を注ぎ、
始球式では往年のフォームで、
年齢からは想像できない速球を投込み話題となっていた。
9月23日に空港の保安検査場で、
女性検査員へ暴行したとのニュースが流れた。
ご本人は否認し続けていたが、
目撃証言やセキュリティカメラの映像などから、
警察は逮捕に踏み切ったという。
「正々堂々」と「実直」をモットーとしていたからこそ、
起きてしまったトラブルなのかなと思っていたし、
いずれまたお元気な姿を見られると信じていたので、
残念でならない。
心よりご冥福をお祈りします。