会社のスマホを落とした。
「おいおい。
それってのんびり飲んでる場合じゃねぇだろ?」
乾杯してすぐ、それを話すとKYSが焦った。
「大丈夫、大丈夫。
バスで落としたのは間違いないから」
ここに来るまでのバスで、
運転手さんのすぐ後ろの席に座った。
椅子の位置が高く足元が窮屈で、
乗り降りの時にポケットから落ちたのだと思う。
「で、バス会社には連絡したのか?」
「うん。
運転手さんに連絡して、
終点での停車中に探してくれるって」
「誰かに拾われてるかもしれないだろ?
スマホの中を見られたらどうすんだ?」
「大丈夫だって。
今どこにあるのかは、
個人持ちのこのiPhoneで見えているし、
紛失モードに切り替えてて、
ロックはかなり強固だから」
ボクが落ち着いているのが、
KYSはどこかつまらなさそうだ。
「娘たちからもやたらiPhoneを勧められるけど、
そういうことなのか?」
「ま、たぶん、そういうことだと思うよ」
そんな話しをしていたら、iPhoneが鳴った。
バス会社からだ。
「見つかったからセンターで保管しててくれるって」
「ふーん。スゲェな」
KYSはかなりつまらなそうだった(笑)