「夜は短し歩けよ乙女」を読み終えた。
ずいぶんわちゃわちゃした物語だな。
そう思って読み始めたが、
そのままの印象で読み終えた。
で、読み終えた瞬間に思い浮かべたのは、
この作品の超大ヒットを支えたであろう、
若者たちの心境だ。
情景描写も登場人物たちのキャラもセリフも、
何もかもが古めかしいのだが、
全体としてはポップで華やかな雰囲気という、
不思議さ満載で。
それは、ボクにジブリ作品を思い出させた。
高速通信とスマホを手にして以来、
意識的に集中して観るとか読むことから離れ、
なんとなく眺めている瞬間が増えたように思う。
だが、この作品は、意識的に集中して読み、
登場する場面や人物をしっかりと頭に思い浮かべないと、
まったく楽しくない。というか苦痛でしかない。
森見登美彦さんは、
意図的にそうした作品を書いたのだと思うし、
その良し悪しとか、
ボク個人としての好き嫌いはさておき、
ものすごいストーリーテラーだし、
ものすごい筆力だなぁと思った。
京都の古本まつりへ行ってみたくなった。